日本の地方自治と民主主義を守る沖縄県民集会
(アピール文)
本日、辺野古代執行訴訟の判決で、福岡高裁那覇支部は国の請求を認め、県に承認命令を出した。国追随の沖縄差別であり、司法による地方自治と民主主義の破壊である。民意に背く判決は、普天間基地の固定化につながり、断じて許されるものではない。
デニー知事は、「是正の指示は適法」とした最高裁判決を受け入れず、10月11日、国による代執行訴訟の提訴に応じる決断をした。
知事は10月30日、代執行訴訟の口頭弁論で「沖縄の自主性、自律性を侵害する代執行は到底容認できない」と述べ、新基地建設に反対する民意こそ「公益とされるべきだ」と主張し、対話による解決の道を示すよう裁判所に求めた。
沖縄県は、戦後27年もの間、無憲法下で自治権がなく、基本的人権が蔑ろにされた。復帰前年の1971年11月、琉球政府の屋良朝苗主席が、県民が求める復帰について日本政府に要請した「建議書」には、「基地の中に沖縄がある。百万の県民は小さい島で、基地や核兵器や毒ガス兵器に囲まれて生活してきました。異民族による軍事優先政策の下で、政治的諸権利が著しく制限され、基本的人権すら侵害されてきたことは枚挙にいとまありません。県民が復帰を願った心情は、平和憲法の下で基本的人権の保障を願望していたからに外なりません。」と記されていた。
2013年1月、安倍晋三首相に手交された「建白書」は「沖縄県民総意の米軍基地からの『負担軽減』を実行して戴きたい」と、復帰40年余を経てもなお沖縄に犠牲を強いる日米両政府の不条理に対し「オスプレイの配備撤回、米軍普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念」を明記。県議会各会派を含め、全41市町村長と議会議長が署名押印した。
昨年5月10日、デニー知事は岸田文雄首相と首相官邸で会談し、復帰50年を前に作成した「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」を手渡した。「新建議書」では「米軍基地の存在が県民の人権を侵害し、生活を圧迫し経済の発展を阻害している」とし、辺野古新基地建設断念に加え、日米地位協定の抜本的見直しも政府に求めた。
今年3月、沖縄県議会は「沖縄を再び戦場にしないよう日本政府に対し対話と外交による平和構築の積極的な取組を求める意見書」を提出。9月には、デニー知事が国連人権理事会で「米軍基地が集中し、平和が脅かされ、意思決定への平等な参加が阻害されている」と沖縄の現状を世界へ発信した。
辺野古裁判を通して、それでもなお、司法に自治権の侵害を正す意識も基本的人権を守る正義も覚悟も無いのであればこの国の民主主義は滅んでしまう。
辺野古が唯一の解決策ではない。県民の民意はデニー知事と共にある。
私たちは、沖縄だけに過重な負担を強いる日米安保の不条理に対し、決して屈することなく、デニー知事を支え、日本の地方自治と民主主義を守るため最後まであきらめない。グスーヨー!チバラナヤーサイ!
2023年12月20日 辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議